カテゴリー:健康と笹
自然治癒力とは、生きとし生ける者、すべての生物が持つもので、
自己の体が外傷であれ、内傷であれ、傷ついたり、不調になったりした時、それらの傷を癒やしたり、
体調を整えたり、原因となった細菌やウイルス、その他の物質を排除する自らが内蔵する力、それが治癒能力です。
そして、その力の多くは免疫系と深い関係があります。
免疫系が健全に働いていれば、細菌やウイルスが侵入しても感染しません。
また、花粉や猫の毛に触れても、アレルギー反応をこすこともありません。
さらに、多少の発がん物質を摂っても、がんの発生を抑制することができます。
この免疫系が、失調すると多くの病変を生ずるようになります。
その病変を大別すると免疫機能の低下と亢進の2つのケースにわけられます。
免疫系が低下すると、風邪をはじめとする多くの感染症に罹りやすく、またがんにもなりやすくなります。
反対に亢進した場合は、アレルギー反応を起こしやすくなり、また自己免疫疾患になりやすくなります。
つまり免疫系の仕事とは、体内の自己と非自己を見分け、がんの元にもなる異型細胞や破損細胞を含む有害物質、
つまり細菌やウイルスなど、それらに傷つけられた細胞やがん細胞をみつけて殺すことです。
それ故に免疫細胞が低下すれば、感染症に患いやすく、異常亢進すれば、
本来無害であるはずの食物や花粉などにも過剰対応を引き起こし、アレルギー反応を起こすようになります。
ちなみに人体の中で免疫をつかさどる器官としては
扁桃腺、胸腺、リンパ節、骨髄、白血球、免疫細胞、脾臓・虫垂・腸管にあるリンパ組織などがあります。
異型細胞
検査材料を光学顕微鏡を使って観察した場合に、形態が正常から隔たっている細胞をさす。 ヘテロシスト(Heterocyst)、異形細胞、異質細胞とも。 藍藻においては窒素固定のために特殊化した細胞を指す。
両医学ともその治癒の根本は、原因療法を標榜していますが、その意味するところと方法は大いに異なります。
もっとも18頃世紀までは両者の基本は極めて類似したものでした。
ところが、19世紀になって西洋においてウィルヒョウが細胞病理学を唱え細菌が発見され、
ついでに抗生物質が登場し、外科手術の技術が発達した20世紀を迎えると、東西両学の差は歴然としてきました。
普通東洋医学というと日本では、漢方医学を指すことが多いですが、もっと厳密に言うと、
インドには紀元前の昔からアイユルヴェダー医学があり、またギリシャ、アラビア医学の伝統をつぐユナニー医学が残っており、
朝鮮半島には漢方を源とする韓医学があり、日本に残る漢方も、現在の中国で行われている中医学とはかなり相違がみられます。
この様に、一口に東洋医学と言っても一様ではなく、その基本精神には共通するところが多くあります。
<東洋医学一部紹介>
アイユルヴェダー医学…薬草を粉末化した内服薬が用いられる他に、薬草の抽出成分を含んだオイルを用いた治療。
ユナニー医学…自然治癒と病気の予防を重視。過剰な力を除去し、不足するところに加えて、過剰な体液を除き、体液のバランスを安定させます。薬は患者の気質と薬剤の性質を考慮し処方します。
漢方(日本)…中医学を日本人に合う形へと改変。症状に合わせた漢方薬を用います。「気血水」の理論。
中医学…患者に合わせて生薬をひとつひとつ選び、オリジナル(オーダーメイド)の方剤を使用します。「気血津液」の理論
そして、最も整った大系を持つのが、漢方や中医学です。
次に漢方を東洋医学の代表と考えて、西洋医学との根本的相違点を明らかにしてみたいと思います。
現在西洋医学の立場では、病気になった場合、まずその原因となったもの、
例えば細菌などは抗生物質を用い、いかに殺し除くかを考えます。
次に体組織が、ある程度以上傷ついていた場合は、外科手術によってその部分を取り除き、
場合によっては人工的代替器官によって補強します。
そのいずれでもないものは、対症療法を施し、自然治癒を待ちます。
これら対処方は一見、理にかなっているように見えます、いくつかの問題点が浮かび上がります。
その第一は、抗生物質を用いる場合、その効力は長期間の有効性を保たず、
そればかりか抗生剤に対して強い抵抗力を持つ耐性菌を生み出してしまうことです。
そのため、常に新しい強力な抗生剤が造られ、それに対しさらに耐性菌ができるというイタチゴッコの状態がくり返され、
強くならないのは両者の戦いの場である人間だけという有様です。
外科手術の場合も、いくつかの問題があります。
安易な臓器や組織の切除は、免疫力を低下してしまうし、ポリープやがんなどを切除しても、
すべての現象(病気)には、すべての原因があるため、
現象として現れた病変だけを外科手術で取り除いてみても、その原因が排除されなければ、
また再発をまねくことになります。
それに対して、漢方や中医学の立場はどうなのでしょうか?
ここでひとつ問題を挙げるとすると、抗生剤は10年もたたないうちにどんどん変わっていくのに対し、
なぜ2000年前に創られた葛根湯は今もって変わりもせず同じ内容で用いられ、効果を上げているのでしょうか?
針治療にしても同様です。灸治に用いる艾にいたっては、2400~2500年前の孟子の頃から変わりません。
その理由は何故でしょうか?
漢方薬の葛根湯を解析してみると面白いことが分かります。
葛根湯は、葛根(かっこん)、桂皮(けいひ)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、
芍薬(しゃくやく)、麻黄(まおう)の7味から構成されていますが、このうち五味は薬物というよりは食物といったほうが近い存在です。
葛根はクズ湯のクズであり、桂皮はスパイスのシナモン、生姜はひねしょうが、大棗はナツメ、カンゾウは醤油などに用いる天然甘味料です。
つまり葛根湯のうち薬らしい薬は麻黄と芍薬くらいで、しかもこれら7味には特記するような抗菌作用や抗ウイルス作用がありません。
葛根湯が創られて2000年経っていますが、なお風邪に用いる漢方薬の筆頭に挙げられ、かつ相応の効果を上げています。
その理由が何かと言えば、抗生剤の作用目的が細菌に向かっているのに対し、
葛根湯は風邪をひいた本体の代謝機構の活性化と促進に効果の力点が置かれているからです。
このような観点に立てば、侵入者がどんな細菌であれ、またウイルスであれかまわないわけです。
当然我々の生体にネガティブな作用も極めて小さいものです。
鍼灸治療についても、全く同様のことが言えます。針や艾に抗生剤や鎮静剤が塗ってあるわけではありません。
それなのに、炎症や痛みを止めることができるのは経穴を刺激し、経絡という循環系を経由して、
神経系や免疫系に影響を与え、痛みや炎症を治めるためです。
漢方薬や針や灸にしろ、東洋医学系の治療の要諦は、侵入者をたたくことではなく、
すべての生体の持つ自己治癒力を状況に応じて、最高限度に発揮させることにあります。
この考えをさらに推し進めると、常に自己の中に自然治癒力を十分に養い、回らせておけば、
いかなる病気やインフルエンザ(流行性感冒)が流行ろうと、羅患しないですむことになります。
これが昔の人の知恵と経験を活かした養生学の基本でもあります。
そして、もし万が一、私たちの生体防御機構が破られた場合は、
ただちに食事療法や漢方薬、鍼灸を用いて、初期のうちに治してしまいます。
これを未病を治すといいます。
漢方の聖典『素問(そもん)』の言葉を借りて言えば
四気譚神大論(しきひょうしんだいろん)に曰く「聖人不治己病治未病」
(聖人は己に病んだものを治さずして、未だ病まざるを治す)
ということになります。養生法の基本で、賢い人は病気になってから治すのではなく、未病のうちに治す。という意味です。
私たちの成り立ちはまず両親から生命を受けることからはじまります。
これを先天の気を受けるといいますが、この時、当然のことながら、
遺伝形質として両親の持つ体質的特徴を長所も短所も受け継ぐことになります。
この遺伝形質が我々の体の基本設計図となります。そして、この基本設計図に基づいて、
体を構成するための材料が食物で、食物こそが我々の体の基礎物質であって、
食物以外に我々の体を構成する材料は何もありません。こうしてできた体の基礎単位は、
細胞であり、器官であるわけですが、これらの基礎組織を栄養として活性化を保つ働きをしているのが血液で、
この血液の活性化が失われれば、当然すべての組織や細胞も不活性となり免疫は低下し、種々の病変を生じるようになります。
つまり、常に血液を清浄にしておくことが、我々の基本的免疫力を高め、
健康で老化を防ぐ(クマ笹と老化の活性酸素)礎になるということにつながります。
そして、血液浄化と造血作用をもつ食品が、血液と極めて似た構造式を持つ葉緑素を
ふんだんに含んでいるクマ笹エキスだと言えます(婦人病とクマ笹)。
クマ笹に含まれる葉緑素は人間の血色素であるヘモグロビンの化学構造とほぼ同じです。
葉緑素には、細胞を活性化して口内炎などが治るのを助ける作用や脱臭作用
(9月の台風!車内で蒸しかえすスメハラ…クマ笹で防ぐ口臭体臭)、
菌の繁殖を抑える抗菌作用(クマ笹の抗菌性)などがあります。
その他クマ笹に含まれている多糖体やリグニンには免疫力を向上させたり、インフルエンザへの抵抗力を高めたりする作用があります。
クマ笹の有効成分についてはこちら<クマ笹ってどんな植物?