カテゴリー:美容と笹
年を重ねるにつれ、段々と老化の「兆し」が気になり始めます。
様々な老化現象・・・
老化は自然なものだから、仕方がない。確かにそうなのですが
「時間」以外のものが老化に関与していることをご存知でしょうか。
それは、体の中で増え、そして気づかないうちに老化が進むお手伝いをしてくれます。
それが、活性酸素です。
鉄が酸化されるとさびるように人間の体内でも酸化が起こっています。そして、この酸化こそ、老化や様々な病気の原因であり、酸化は活性酸素が引き起こします。
活性酸素は私たちが呼吸する大気中の酸素よりも活性化された分子で、他の物質と共に反応しやすい特徴を持っています。
活性酸素の代表的なものには下のような4種類があり、フリーラジカルとそうでない非ラジカルに分かれます。
この活性酸素、私たちにイジワルをしてやろうと、いうわけではありません。
活性酸素にも、その強い酸化のチカラを使って体内に入ってきた細菌を殺菌し感染から守るといった使命があるのです。
体には活性酸素を抑える機能が備わっています。しかし、それが抑えられなくなると、炎症や老化など、様々な障害が起こってしまいます。
体内で活性酸素と抗酸化物質との均衡が崩れると病気へ進展します。
例えば、ヒドロキシルラジカルは細胞膜の傷害を招き、核の切断を行います。
また、DNA損傷を引き起こし、老化に関与するとされるミトコンドリアの核にも傷害を与えてしまうと考えられています。
ほとんどの病気は活性酸素が引き金ではありませんが、
病気の進展に活性酸素が関与していることは間違いありません。
一番古くから分かっているのは炎症です。
そのほか生活習慣病、糖尿病、動脈硬化、癌などが活性酸素と関わりがあります。
活性酸素が増える原因には以下のようなものがあります。
・タバコの煙
異物が体内に生じると、排除しようと活性酸素が働きます。タバコの有害物質が異物とみなされ、活性酸素が増えます。また、タバコは体内の抗酸化物質を壊してしまうため、元々持っている活性酸素への抵抗力が損なわれます。
・大気汚染
汚染物質に含まれる窒素酸化物なども活性酸素が増える原因となります。
・紫外線
紫外線から受けた刺激で活性酸素が増えます。
・過度の運動
活性酸素は呼吸によって生まれます。激しい運動は呼吸数を増やし、結果活性酸素も増やしてしまいます。
・ストレス
自律神経が刺激され、抗酸化物質の消費が多くなることで活性酸素が増えてしまいます。
抗酸化酵素として代表的なのがSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やカタラーゼです。
これら酵素は主に肝臓でつくられ、年齢と共に減少します。
酵素以外だと、ビタミンE、ビタミンC、カロテノイド(ベーターカロチンなど)などがあり、野菜などに含まれています。また、アントシアニンなどで知られるフラボノイドにも抗酸化作用があります。
これら抗酸化物質が簡単に補給できれば良いのですが・・・
SODは保存しておくことが難しく、口から摂っても胃で分解されてしまいます。反対に酵素以外のビタミンなどは植物や生薬などから摂ることができるので、SODと似たこれらによって抗酸化の働きを補うことができます。
(表:天然抗酸化剤とそれらを含む植物、生薬の例)
ビタミンC | 柿、お茶、柑橘類、セロリ、松葉 |
カロテノイド | ニンジンなど緑黄色野菜 |
フラボノイド | クマ笹、黄芩(コガネバナ)、営実(ノイバラ)、橙皮(ダイダイ)、緑茶、甘草(カンゾウ)、葛根(クズ) |
タンニン | ゲンノショウコ、ユキノシタ、石榴皮(ザクロ)、五倍子(ヌルデ)、丁字、大黄(ダイオウ)、芍薬(シャクヤク)、桂皮 |
カフェ酸 | 艾薬(ヨモギ)、紫蘇(シソ)、ローズマリー(マンネンロウ)、セージ(サルビア)リグナン ゴマ油、五味子(チョウセンゴミシ) |
サポニン | 大豆、紫胡 |
この他、葉緑素に強力な抗酸化作用があることが分かっています。クマ笹にも葉緑素がたくさん含まれており、もしかして?と活性酸素に対する作用を調べてみると…
参考文献:基礎と臨床 31, 3321-3324, 1997
スーパーオキシドラジカル、ヒドロキシラジカル、脂溶性ラジカルの3種類の活性酸素がクマ笹のもつ抗酸化性によって抑えられるという結果が出ました。
活性酸素は肌のうるおいやハリを保つコラーゲンやヒアルロン酸にも影響をきたします。
肌を守る力が弱まれば、シワができやすくなります。
クマ笹に強い抗酸化作用があることが分かり、クマ笹は健康を維持するだけでなく老化などエイジングケアにも応用ができることが期待されています。