カテゴリー:動物と笹
犬や猫を飼ったことのある方なら、彼らが嘔吐する姿を見かけたことがあると思います。
犬や猫は人間に比べるとよく吐く動物です。
病気でなくても吐くのが多いのはなぜなのでしょうか?
犬や猫の食事も今は飽食の時代…
ペット・フード、手作りの食事、おかしなど、バラエティ豊富です。
でもその中には、体に合わないものがあるようで
犬や猫は病気でなくても食事が合わなかったりすると吐いて体調をコントロールする…といわれています。
昔はネズミ、昆虫、骨つき肉など、食べられるものが限られていましたが
今や人間並み(時として人間を超える高級食事)の食事になり
血液も酸性化して、人並みに病気もするようになりました。
可愛い顔でおねだりされると「今回は特別だよ」なんて言っているうち
特別が積み重なり、気づくとワンちゃん猫ちゃんの脂肪も積み重なってメタボに
…なんて苦い経験ありませんか?
草を食べることを教えてないはずなのに、散歩中に愛犬が草をムシャムシャ食べだしたり
プランターの草を愛猫が食べだしたりするのを見かけたことがありませんか?
犬や猫は胃腸の調子が悪いとき、毛玉など誤飲したものを嘔吐したい時に草を食べる習性があります。
ご馳走を貰いすぎれば犬や猫でも胃もたれがおきます。
うちの犬が(または猫が)笹を食べた!と初めて笹を食べている姿を見て
びっくりした飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
犬や猫にとって、手近かな野草はカモジグサです。
カモジグサを食べることで酸性に傾いた体をアルカリ性に戻そうとします。
犬猫が笹を食べて吐くのは、草(カモジグサなど)を食べるのと同じ理由と考えられています。
アルカリ性の細胞液を吸収して、植物細胞中の珪酸などの酸性部分を吐き出します。
私たちも肉ばかり食べていると、血液は酸性にかたよるため、
野菜を食べてバランスを整えようとしますがそれと似ているのかもしれません。
犬や猫も草や笹を食べることで血液のアルカリ化をめざしている…のかもしれません。
ペット製品として売られている「ネコ草」は猫が好んで食べる草の総称です。猫は燕麦(エンバク)や小麦など細長いイネ科を好みます。笹もイネ科。どうりで笹を好むわけです。
チシマザサ(左上)、ミヤコザサ(左下)、チマキザサ(右上)、モウソウチク(右中)、ハチク(右下)
出典:Wikipedia、蓼科笹類植物園
チマキザサを好んで食べていたら、ご馳走が過ぎた証拠です。
チマキザサはアルカリ性が高く、これを食べる犬猫はアルカリ性の高い笹葉の細胞液をねらって食べるようです。
犬猫は、チシマザサやミヤコザサ、チマキザサ、モウソウチク、ハチクの順に笹を食べます。
これはアルカリ度の高い順番であるためと言われており、
野草を手当たり次第に食べて吐いているわけではなく、きちんと選んで食べているのです。
人も、肉やアイスクリーム、チーズ、バター、チョコレートばかりを食べずに、
犬猫にならってアルカリ性のものを多く食べると良いかもしれません。
河原の堤などに生えているメタケやネザサなどはあまり好んで食べません。
アルカリ度の低い植物は進んで食べない傾向にあるようです。