カテゴリー:クマ笹とは
クマ笹は日本国内で広い地域に分布・自生し、身近にあったことから昔から人々の生活に取り入れられていたと言われています。
縄文時代の住居について・・・
“笹が豊富な山岳地帯においては、「笹葺き屋根であった可能性が高い」”
出典:
http://tateshina-sasa.com/sasarikyu/spot.html
また、クマ笹は外用薬としても使われていたようです。
「クマ笹の抽出エキスを皮膚に塗ると火傷の治りが早くなる」等クマ笹の薬効について書かれた中国の薬学書が慶長9年 (1604年) には日本に輸入されています。
クマ笹の抽出エキスを患部に塗ると症状が改善することが分かり
火傷、皮膚病、切り傷、痔、犬咬傷、吐血、喀血、下血、便秘の治療に使われていました。
あせもがひどい時はお風呂に入れて薬湯とするなど日々の生活でも活躍していたようです。
その他、民間薬として犬咬傷、吐血、喀血、下血などの治療にも用いられ、数百年前には「クマザサ(隈笹・熊笹)」と称する生薬が市販されていたようです。民間薬について書かれた本には、クマ笹の用法、効能として「口がくさいとき、煎じてうがいする(『和方一万方』)、血の道には紅花と一緒に煎じて飲む(『掌中妙薬集』)、タムシにはナンテンの葉とともに煎じてたびたび洗う(『諸病薬記』)」などの記載があります。今でいう「お口のエチケット」や水虫の対策にも愛用されていたようです。なぜか!それは、クマ笹が持つ優れた抗菌作用の恩恵によるものです。
現在ではクマ笹からエキスを自分で絞って殺菌に使う人は見かけませんが、食品には文化の名残がまだ残っています。チマキや笹団子、ます寿司などはクマの持つ防腐効果を食品の保存に応用しています。