カテゴリー:日本文化と笹
「秋晴れ」の言葉通り、10月は雨の気配が次第に遠ざかり好天が続く季節になります。
一方、夜間は冷え込むようになってきます。
下旬になると山には霜が降りて、北国では降雪期を迎えます。
昼夜の温度差が大きい時期のため風邪になりかけた人が
咳き込む姿を度々見かけるようになります。
クマ笹類やアズマザサ属は昼夜の気温差が大きい年ほど葉緑に
白く綺麗な隈が現れ(枯れ上がり)ます。
笹の緑は冴えて美しさを増し縁取りは真っ白く、コントラストは最高になります。
寒さが加わると、棹に葉緑素のない種類のいくつかが赤化します。
チゴカンチク(ベニカンチク)、スホウチク、キンメイインショウなど、
日に日に鮮紅色になっていきます。
また、オウゴンホテイ、キンチク、キンメイチクなどは黄金色の美しさが進んでいきます。
同時に緑の色も鮮やかになって、色とりどりの鮮やかさが楽しめます。
晴天が続き、10月から乾燥も始まるため水あげが大変です。
この時期に水あげをおこたると、葉が巻き、枯れないまま元気がなくなっていきます。
一度枯れかかると、どんなに手当てをしても、その時は観賞用になりません。
竹笹類は霜が降り始めると、休眠期に入ります。3月ごろまで肥料を与えても吸収はしません。
春にはまだ顔を出さず、10月になって顔を出す筍もあります。
ベニカンチク、シホウチク(シカクダケ)の筍が姿を現します。
シホウチクの方が寒がりです。
土から顔を出した筍は年内で立つほどに大きくなりますが、まだ枝を出しません。
本種の筍はマイナス2~3℃になると、先端が20cmほど枯れてしまいます。
さらに、夜の気温がマイナス5~6℃になる日が1週間も続くと、
筍が根本から枯死してしまいます。
そのような場合、11月ごろからビニール袋をかぶせて寒さから守ってあげましょう。
ビニールがけは、1~2回軽い霜を受けてから行うと有効的です。
間引きは寒さへの抵抗を奪ってしまうため、いっさい行わず
明春4月に入ってから行いましょう。