カテゴリー:クマ笹とは
クマ笹は日本国内では北海道、本州、四国、九州の幅広い地域に生息するイネ科の植物です。寒いところでよく育ち、1~2mと人くらいの大きさになります。生命力は強く、雪に埋もれても生き残ります。庭の裏側や雑木林に溢れかえるほど生えて、たまに田舎のお母さんに煙たがられます。けれど邪魔だからと刈る前に、クマ笹の良い部分も知ってあげて下さい。
クマ笹には(クマ笹からの抽出物には)葉緑素、多糖、リグニン、植物ポリフェノール(バニリン酸など)をはじめアミノ酸やミネラルが含まれています。
*New Food Indusry2008 vol.50 No.5
これらの成分には薬理効果が認められ、古くから健康を維持するための生薬として使われてきました。
クマ笹のエキスに含まれる成分には体の健康を保つ作用があります。
葉緑素
クマ笹の有効成分のひとつである葉緑素は、植物の葉に含まれる緑色の色素で、太陽光線のエネルギーを取り込み、空気中の二酸化炭素と根から吸収した水分を利用して炭水化物を作るという、いわゆる光合成を起こします。
この葉緑素は人間の血色素であるヘモグロビンの化学構造とほぼ同じです。クマ笹に含まれる葉緑素には、細胞を活性化して口内炎などが治るのを助ける作用や脱臭作用、菌の繁殖を抑える抗菌作用などがあります。よく「パンダのフンはくさくない」と言われるのも、葉緑素の脱臭作用によるものだと言われています。
人間の体は約60兆個の細胞から成り立っています。その細胞の一番外側にある膜を形成する成分のひとつが「多糖体」で、大切な内容物をしっかり守る役目を果たしています。多糖体は植物だけでなく、人間や動物の細菌の中にも存在しているもので、デンプン、セルロース、寒天も多糖体ですが、クマ笹に含まれる多糖体は貯蔵多糖体と異なりカロリーはありません。クマ笹に含まれる多糖体は活性多糖体で、傷つきかけた細胞膜と結合して、元通りの細胞膜に修復する力をもっています。この多糖体が不足すると、徐々に細胞が弱り、さまざまな病原体に侵されてしまう危険性が高まります。また、細胞膜は栄養分の吸収や老廃物の排出にも欠かせないものです。クマ笹多糖体は肝臓に多く含まれるカタラーゼという酵素を活性化させ、食物の分解吸収を促進します。さらに多糖体には制がん効果も認められています。免疫力を高めて、自分の力でがんを抑え込む免疫反応賦活作用、そしてがん細胞の細胞膜に作用して、がんの増殖をストップさせる作用をもつことから、免疫療法への活用も期待できます。
植物性のポリフェノールを含んでいる植物ではワインの原料、ぶどうが有名ですね。クマ笹にも植物ポリフェノールが含まれています。バニリン酸、シリンガ酸、バニリン、フェルラ酸、p-クマル酸これら植物性のポリフェノールは高い抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去します。バニリン酸は漢方薬のトウキの根にも多く含まれています。
アミノ酸
たんぱく質を構成する栄養素です。たんぱく質は、内臓、筋肉、皮膚、粘膜などを構成し、体を維持するのに不可欠です。クマ笹のエキスから18種類のアミノ酸が含まれていることが確認されています。
ミネラル
ミネラル類とは、五大栄養素のひとつで、体の組織をつくる大事な要素です。体の維持や生理作用の調節には不可欠です。ミネラルは人の体内で作ることは出来ず、食べ物から取る必要があります。