カテゴリー:クマ笹とは
一説には大昔の人々が、笹の実を食べて、その味を知ったことが始まりだと言われています。
きっかけは、たくさんの笹が花をつけたことに始まります。
写真は小さな花を咲かせようとしている笹の一瞬を撮ったものです。
イネの穂のように膨らんでいるところから花を咲かせます。
笹の開花はとても珍しい現象で、およそ50~100年の間隔で花を咲かせます。
説によると、笹が花をいっせいに咲かせた年、
多くのクマやネズミ、小鳥が集まって笹の実を食べているのを人々が発見しました。
「動物が食べているのだから自分たちも食べられるのでは?」と思ったのかもしれません。
一口食べてみて、笹の実が米や麦と同じように食べられることに気づくと
鳥獣を追い払って(ヒドイ)実を取り、粉にして、そのまま煮て食料にしたそうです。
味については、後ほど紹介しますが…
昔は食べ物を手に入れるのが今ほど簡単ではなかったので、この発見は大きなよろこびでした(おそらく)。
昔の人々にとっても生きていく糧となる食べ物は大変ありがたいものでした。
自然の産物や料理ができあがると、まず天の恵を神々に感謝し
できあがったものを神様にお供えしていたそうです。
その代表的なものとして神様にお供えする米を
「供米(くまい)」といいます。
そして神様にお供えする笹→供米笹(クマイザサ)という名がついたと言われています。
クマイザサ→少し音がこもって?→クマザサ
になったのでしょうか!?
このお話のような笹の開花と結実は、何年かごとに日本に起こっています。
天保3年。近畿地方に、広大な面積に開花した記録が
『竹実の記』という和本に残されています。
そこには笹の実の食べ方も書いてありました。
また、笹の実は戦争中、食料品や米が不足していた頃にも食べられていたそうです。
米にくらべて規制が少なく、腹の足しにするのに都合がよかったのでしょうか。
ハッキリ言って美味しくないものもあるようです。
知人の竹笹の専門家に味を聞いてみたところ…
「笹の実団子にチャレンジしてみた。
すごくお腹を空かせて食べたのに、2個しか食べられなかった」
と、悔しそうに話していました。
味にはひとくせあるようですが
そのお陰か虫つきが悪く、よく乾燥させて、凶作年に備える保存食として活躍したそうです。
ですが、中には美味しい実もちゃんとあり、生で食べるとほんのり甘い味がします。
種類によって味に差があるようです。
※むやみに野生の植物を食べる行為は危険を伴います。